武力についてのメモ 

機能[編集]

軍事力の機能は基本的には安全保障に関する、抑止・強制・抵抗であるが、実質的には多岐にわたる。

抑止
敵の軍事行動をこちらの軍事力の存在によってリスクとコストを計画の段階で引き上げることで思いとどまらせるという機能である。冷戦における核兵器の開発競争はこの抑止力の競争という側面が強い。
強制
相手の意思を自分の軍事力によって強制的に変更させる機能である。威嚇的な軍事力の使用を含める場合もある。近年はこの強制力を限定的に用いた限定戦争の様相が多く見られるようになってきている。
抵抗
相手の軍事的な威嚇、行動に対して抵抗する機能である。専守防衛軍事戦略とする日本スウェーデンスイスなどの軍事組織はこの基本戦略に特化した編成・訓練を行っている。

武力紛争(戦争)の遂行能力は軍事力の持つ多様な能力の一つに過ぎない。そのほか、以下のような機能が挙げられる。

構成[編集]

現代の軍事力は主に軍隊によって構成されるが、国の軍事力は非常に多くの分野によって支えられており、今日では総合的な国力が求められる。

基本構成[編集]

現代の軍事力は地球上の陸海空・宇宙などあらゆる空間で、しかも同時に展開されることがあり、実質的にはそれぞれを切り離して考えることはできないが、基本的な構成として陸海空の戦力に区分されて理解される。(戦力とは戦闘における実質的な戦闘力を重視した軍事力が有する側面的な概念である)

陸軍力
陸地における戦力であり、陸地の支配を通じてその地域の人間を支配することが可能な唯一の戦力である。主に陸軍がこれにあたる。能動的には、占領を実施し、受動的には抵抗を行なう。
海軍力
海洋における戦力であり、海洋権益の確保、沿海海域の防衛などの役割を果たすことができる戦力である。主に海軍がこれにあたる。能動的には、戦力投射通商破壊を実施し、受動的には海上護衛を行なう。
空軍力
空における軍事力であり、高度な打撃力と速度による大きな抑止力となりうる戦力である。主に空軍がこれにあたる。能動的には戦略爆撃を行い、受動的には防空を行なう。