武力メモ 警視流近接格闘術

警視流木太刀形[編集]

剣術10流派から1本ずつ技を採用して構成されている。諸流派を統合した形という点で日本剣道形の先駆けといえる[注釈 1]太平洋戦争前には剣道の教本に掲載されることもあり、中山博道のように積極的に修練する剣道家もいた。現在も警視庁の剣道家によって伝承されている。

脛斬りに対する応じ方(八相)や肘打ち(阿吽)など、日本剣道形には見られない技法も含まれている。礼法木太刀も日本剣道形とは異なり、古式の形態を残している。木太刀は全長33(約1m)で刃長2尺4寸(約73cm)、柄9寸(約27cm)、刀身部の断面の形状は蛤刃と定められており、写しが市販されている。

(流派名は警視流の表記に従う)

  1. 八相(直心影流
  2. 変化(鞍馬流
  3. 八天切(堤宝山流
  4. 巻落(立身流
  5. 下段の突(北辰一刀流
  6. 阿吽(浅山一伝流
  7. 一二の太刀(示現流
  8. 打落(神道無念流
  9. 破折(柳生流
  10. 位詰(鏡心明智流

撃剣級位[編集]

警視流立居合[編集]

居合5流派から1本ずつ技を採用して構成されている。座位の技はなく、すべて立ち技である。現在も警視庁居合同好会[注釈 2]に伝承されている。一部の民間道場でも稽古されている。

  1. 前腰(浅山一伝流
  2. 無双返し(神道無念流
  3. 回り掛け(田宮流
  4. 右の敵(鏡心明智流
  5. 四方(立身流

警視流柔術[編集]

柔術世話掛も設置された。柔術16本、早捕法7種からなる。

柔術は木太刀形、立居合のように各流1本ずつではなく、14流派と諸流併合した技16本で構成されていた。早捕には技の名前が付けられていない。似た技が複数あるなど、木太刀形、立居合に比べると余り整理されていない内容に思われる。柔術形は、警視庁で講道館柔道が採用されたことによって、最も早く指導されなくなった。

(木太刀形、立居合と異なり、元になった流派名を並記する規定はないが、元流派も記す)

早捕[編集]

  • 鈎縄
  • 捕縄:各流合併
  • 捕縄:立身流より
  • 早縄:関口流より
  • 早縄(五寸縄):水野流より
  • 早縄(七寸縄)
  • 手錠縄