武力メモ イギリスの近接格闘術の概要

ディフェンドゥー英語:Defendu)とは、ウィリアム・E・フェアバーン(William E Fairbairn、1885年 - 1960年)が編み出した格闘術である。

 

ウィリアム・E・フェアバーンが指導した格闘術(所謂「フェアバーン・システム」)は時期によって内容が異なるが、「ディフェンドゥー」はフェアバーンの初期の技法を体系化したものである。相手の顎を掌で打ち上げながら指で目を突くChin Jab(チンジャブ:顎打ち)など、単純だが効果的な技を用いる。

後にフェアバーンは軍・諜報機関向けに、より殺傷に適した「サイレント・キリング」(無音殺傷法)を編み出した。

「ディフェンドゥー」、「サイレント・キリング」ともに第二次世界大戦連合国各国軍に採用されて高評価を得たため、「フェアバーン・システム」はWW2 style Close Quarter Combatives第二次世界大戦スタイル近接格闘術)とも呼ばれる。西側諸国だけでなく、東側諸国(旧共産圏)も含めた現代軍用格闘術の源流である。また、SWATをはじめとする警察特殊部隊の格闘術の源流でもある。徒手格闘術だけではなく、ナイフ格闘術や棍棒格闘術も含まれる。フェアバーンは、自身の格闘術を市街地戦や屋内戦での拳銃射撃を中心とする戦術の一部と位置付けている(この点は現代の軍隊CQB(近接戦闘)の考え方と同一である)。