武力メモ 人海戦術についての概要

一般的な人海戦術の理解
戦争における一般的な人海戦術のイメージは、端的にいえば「こっちが10万発の弾丸を持っているのに、向こうは(何も考えずに)10万人以上の兵で突撃してきた。だから押し切られて負けた」という考えである。

この一見原始的な戦術は、朝鮮戦争における中国人民解放軍が運用した。

この「蛮族は数任せの正面突撃しかできない無能、だから蛮族」という偏見と過小評価は、古代ギリシャや古代中国以来の自称文明国の悪しき伝統でもあり、太平洋戦争当時の大日本帝国陸軍は(そして日本人そのものが)欧米諸国(特にアメリカ)からバンザイ突撃しかできない「黄色い猿」と見下されていた。そしてその日本も、中国国民党軍を数だけの弱兵と見下し、中国人そのものを劣等と見下していた(そもそも、少数の部隊が孤立してしまい、優勢な敵の攻撃を受けてしまうこと自体、先進国側の用兵にも問題がある)。

また百団大戦の各所でみられたように、堅固な陣地に対してひたすら海のように、兵隊が押し寄せる状態のことを人海戦術と捉える向きもある。