武力メモ 日本自衛隊の2007年までの近接格闘術

2007年(平成19年)までの自衛隊格闘術[編集]

1959年(昭和34年)に制定された内容は、徒手格闘銃剣格闘短剣格闘からなる内容であった(ただし、銃剣については銃剣道も併用)が、2008年(平成20年)の新格闘導入により、現在は訓練されていない。

自衛隊徒手格闘[編集]

自衛隊徒手格闘は、日本拳法をベースに、柔道相撲投げ技合気道関節技を採り入れた内容で構成されている。

大日本帝国陸軍においては、敵陣に対する浸透戦術を敢行するために銃剣、短剣、軍刀を用いた格闘の訓練が盛んに行われていたが、武器を用いない徒手格闘に関しては、憲兵などの一部の兵科を除いて、自主的に武道を練成することを奨励するのみであった。大日本帝国海軍では、柔道、剣道、相撲、銃剣道を練成することが奨励されていた。

戦後アメリカ陸軍士官学校に留学した陸上自衛隊幹部が、米陸軍での格闘訓練を見た経験から、銃剣格闘と連係できる徒手格闘術の必要性を陸上幕僚監部に進言した。これを受け、1955年(昭和30年)から研究が開始され、森良之祐(日本拳法協会最高師範)、富木謙治らの協力を得て、1959年(昭和34年)に訓練体系を確立した。

その後、技術の統一と錬度の向上のため、1984年(昭和59年)、全自衛隊徒手格闘連盟が組織され、第1回全自衛隊徒手格闘大会が開催された。以後、大会は毎年開催されている。

自衛隊銃剣格闘[編集]

現在の自衛隊では、旧日本軍銃剣術を元に、戦後武道として競技化した銃剣道と、戦後に制定された自衛隊銃剣格闘の両方が実施されている。特に、銃剣道の練成は普通科中隊を中心に盛んに行われており、中隊の団結心の向上に一役買っている。

銃剣道の攻撃方法が、銃剣の刃部にあたる先端(タンポ)による刺突のみであるのに対して、自衛隊銃剣格闘は、銃剣の刃による刺突に加え、斬撃、防御、銃床による打撃、銃全体を用いた打撃や刺突して銃を撃つ動作まで含まれる。

自衛隊短剣格闘[編集]

旧日本軍においては日本の古武道小太刀術を基に制定された短剣術(現在の銃剣道に含まれている短剣道)が訓練されていた。

これに対し、自衛隊短剣格闘はアメリカ陸軍で訓練されていたナイフ格闘術がベースになっているというが、これまで公刊物で公開されたことが無く、詳細な内容は不明である。