武力メモ 近接格闘術についての概要

概要

軍人戦闘において使用する技術であるゆえ、一般的なスポーツ格闘技と異なり、相手(敵)の殺傷を目的としている。国を超えて近接格闘術におおむね共通する特徴としては、武術の経験が無い者でも短期間で習得できるように工夫されていること、人体の急所を狙うなど単純だが効果的な技で技術体系が構成されていること、などがある。こうした共通点が見られる理由は、軍隊では限られた訓練期間で隊員の戦闘力を高める必要があるためである。訓練時には防具寸止めなどにより、安全性の確保が図られる。

特殊部隊などの精鋭部隊と一般部隊では訓練される内容が異なることが多く、精鋭部隊では高度な殺傷技術が訓練されるのに対し、一般部隊では形式的な基本技のみにとどまることが多い。また、国家や組織により訓練される内容は大きく異なり、格闘訓練を実施しない部隊兵科もある。例えば、アメリカ陸軍では歩兵部隊以外では格闘訓練を実施しないが、アメリカ海兵隊では全地上部隊で格闘訓練が実施される。

民間人が習うことは基本的にできないが、近年の格闘技ブームの影響もあってか、現在は民間向けにセミナーが開かれたり、書籍やVTRなどの形式で情報が公開されることもある。そのような場合でも基本的に殺傷技術は教えず、護身術的な内容にとどまるのが普通である。